【女性】骨盤部MRI
骨盤部MRIは骨盤内の病気を見つける検査です。
MRIは検査の条件を変えることでいろいろな写真の撮り方ができます。
現在、よく用いられるのは、CTのように水が黒、脳が灰色に見える「T1強調画像」、これを白黒逆転させたような「T2強調画像」、がんなどの病変を見つけやすくする「拡散強調画像」という3種類の撮影方法で評価します。
撮影方法によって見えるものが違うために、こんなに多くの撮り方で検査するのです。
骨盤部MRIでは複数の撮影方法により、骨盤内の膀胱・前立腺・子宮・卵巣やこれらの病気などを早期に発見することが可能です。
骨盤部CT検査と比べて、画像コントラストが良好で、放射線被ばくの心配もありません。
当院の骨盤部ドック撮影種類【女性】
T2強調画像 横断像
T2強調画像 冠状断像
T2強調画像 矢状断像
T1強調画像(in・out) 横断像
T1強調画像脂肪抑制法 横断像
拡散強調画像 横断像
これらの撮影を用いて膀胱、子宮、卵巣や膣などの病変の有無を診断します。
例:膀胱がん、子宮がん、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣がん、卵巣嚢腫など
骨盤部MRI検査でよく見られる所見【女性】
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮にできる良性腫瘍です。
成人女性の20〜30%は子宮筋腫をもっているといわれています。
主に30~40歳代の女性にみつかり、筋腫の大きさや個数は人それぞれ異なります。
子宮筋腫の原因ははっきりしていませんが、女性ホルモンが関係していると考えられています。
子宮のどこに発生するかによって、筋層内子宮筋腫、漿膜下子宮筋腫、粘膜下筋腫に分類されます。
子宮筋腫は見つかっても、症状がない場合は特に治療しません。
定期的に筋腫の大きさや症状の有無を経過観察します。
治療は症状が強い場合、悪性が否定できない場合、不妊の原因になっていると考えられる場合、分娩障害が予想される場合などが対象となります。
症状がある場合や初めて見つかった場合は婦人科を受診しましょう。
子宮内膜ポリープ
基本的には自覚症状がないため、MRI検査を行った際に偶然発見されることが多く、子宮の内膜を覆っている子宮内膜がキノコ状に発育したもので、ほとんどが良性のものですが、ごく稀に悪性の場合があります。
40~50歳代に多く、加齢とともに増加する傾向にあります。
ナボット嚢胞
ナボット嚢胞とは子宮頸部にできる小さな嚢胞のことで、30~40歳代に多くみられます。
ナボット嚢胞は比較的よくみられる所見で、子宮頸がんとは関係のないもので、通常問題となりませんが子宮頸部の形状や大きさを変えてしまうほど大きくなることがあります。
このような変形が起きてしまうと、子宮頸部の検査が困難になる為、嚢胞を切除する必要があります。
卵巣嚢腫
卵巣は子宮の左右両側にあり、通常は2~3㎝程度の大きさです。
卵管で子宮とつながっています。この卵巣にできた卵巣腫瘍のうち、良性で液体が溜まった腫瘍を卵巣嚢腫といいます。
卵巣腫瘍の80~90%は卵巣嚢腫であると考えられていますが、良性と悪性の鑑別が難しいため、しっかり検査を受ける必要があります。
卵巣嚢腫がみつかっても、良性で症状がない場合は治療をせず、腫瘍が大きくなっていないかを経過観察することもあります。
治療が必要と判断された場合には、腹腔鏡または開腹にて手術をし、腫瘍を摘出します。初めて見つかった場合は婦人科を受診しましょう。
子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜にしか存在しないはずの組織と似た組織が、子宮の表面や腹腔内の他の臓器(腹膜、卵巣、ダグラス窩など)で増殖していく疾患です。
子宮内膜症は正常に生殖機能が働いている女性の約7~10%にみられ、特に20~40歳代に発症しやすいといわれています。
卵巣の内側や表面に子宮内膜症ができた場合、卵巣の中に出血した血液が溜まり嚢腫が形成され、溜まった血液は溶けたチョコレートのように見えるため、チョコレート嚢腫とよばれています。
子宮内膜症の治療には大きく“薬物療法”と“手術療法”の2つに分けられます。どの治療が行われるかは、年齢や症状の度合い、発生個所、今後の妊娠希望などを検討したうえで決められます。
子宮内膜症を発症しても、最初のうちは自覚症状がないことが多く、月経の回数を重ねるほど癒着の程度がひどくなり、痛みなどの症状も強くなりますので、子宮内膜症が見つかったら、まずは婦人科を受診しましょう。
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