内診について
膣に片方の手を入れ、もう片方の手で腹部を押さえて子宮、卵巣、子宮周辺を触診する検査です。子宮の大きさや、押さえることによる痛みがあるかどうかを確認します。
この検査で疑われる病気
- 子宮筋腫
子宮の筋肉の中に発生する良性腫瘍です。かなりの頻度で発生し、筋腫があっても症状が出る人と出ない人がいます。症状としては、過多月経、生理痛、不正出血などがあり、貧血を起こすこともあります。
- 子宮内膜症
子宮内膜の組織が他の部位(子宮筋の中や卵巣の中)に発生する疾患です。珍しい病気ですが、悪性化することがあるので治療や経過観察が必要です。
- 子宮頸管ポリープ
子宮の入り口にある粘膜の増殖によってできる良性の腫瘍です。無症状のことがほとんどですが、不正出血、性交時の出血、月経期間の延長などが起こることがあります。
- 卵巣腫瘍
良性の卵巣のう腫瘍と悪性腫瘍があります。症状が現れにくく、超音波やMRI検査(磁気共鳴撮影)で診断されます。
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子宮頸がんとHPV(ヒトパピローマウイルス)
子宮の入り口である頸部にできるがんを「子宮頸がん」といいます。
子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染です。HPVはありふれたウイルスで、性交経験のある女性はほぼ100%が何らかのタイプのHPVに感染しているといわれていますが、その中でも「ハイリスク」と呼ばれる約15種類のタイプのみが子宮頸がんを引き起こします。
ただし、ハイリスクHPVに感染しても必ず子宮頸がんになるというわけではなく、多くは生涯潜伏したまま発症することはありません。
HPV感染にあまり敏感になる必要はありませんが、がんの早期発見、予防のために定期的な子宮頸がん検診が大切です。
子宮頸がんは、HPV感染から5~10年で発症するとされています。しかし、HPVに感染していても自覚症状はまったくありません。
HPV感染のピークが20歳代前半、子宮頸がん発症のピークが30歳代前半ですから、このHPV感染から発症までの10年の間に子宮頸がん検診を受けることが非常に重要になります。
子宮頸がんは検診で非常に発見しやすく、検診で予防できるがんといえます。20歳を過ぎたら2年に1回、子宮頸がん検診を受診しましょう。
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