BMI
BMIは肥満症や低体重(やせ症)に該当するかがわかります。
人間ドック検査では必ず測定する検査の1つです。
BMI(ボディ・マス・インデックス、体格指数)という数値で測定します。
一般の18歳以上が対象で、筋肉量の多いアスリートの指標には用いられません。
幼児にはカウプ指数、学童にはローレル指数が用いられます。
BMIと適正体重の計算式
BMI(kg/㎡)= 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
適正体重(kg)= 身長(m) × 身長(m) × 22
成人ではBMIが国際的な指標として用いられています。
健康を維持するためは日頃からBMIを把握することが重要です。
成人の場合、身長の変化はほとんど見られませんが、体重は生活習慣などでも大きく変動します。
そのため、現在の体重が身長に見合っているかで、肥満の度合いを判断します。
日本肥満学会の判定基準
体格指数 | 低体重 | 標準 | 肥満度Ⅰ | 肥満度Ⅱ | 肥満度Ⅲ | 肥満度Ⅳ |
---|---|---|---|---|---|---|
BMI | 18.4以下 | 18.5ー24.9 | 25.0-29.9 | 30.0-34.9 | 35-39.9 | 40以上 |
WHOの国際的な基準によると、BMI25以上が過体重、30以上が肥満です。
しかし、日本人の場合、BMI25以下であっても2型糖尿病や循環器の病気の発生リスクが高いとされています。
そこで、日本ではWHOの基準によらず、BMI25以上を肥満とし、もっとも病気にかかりにくい標準体重をBMI22とする、日本肥満学会による判定基準が使われています。
日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」で、肥満はその度合いによってさらに「肥満1」から「肥満4」に分類されます。
妊婦や子供のBMI
妊婦の場合、日本肥満学会の基準でやせ(BMIが18.5未満)では切迫早産、早産、および低出生体重児分娩のリスクが高くなります。
また、肥満(BMIが25以上)にあたる妊婦は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、死産、巨大児、および子供の神経管閉鎖障害のリスクが高いことがわかっています。
妊娠中の体重増加の目安(日本産婦人科学会)
妊娠前体格 | BMI kg/m2 | 体重増加の目安 |
---|---|---|
低体重 | <18.5 | 12~15kg |
普通体重 | 18.5≦ ~ 25 | 10~13kg |
肥満(1度) | 25≦ ~ 30 | 7~10kg |
肥満(2度以上) | 30≦ | 個別対応(上限5kgまでが目安) |
BMIを指標として肥満の判定ができるのは成人に対してのみで、子供に対して用いることはできません。
乳幼児の肥満度の判定にはカウプ指数(10×体重(g)/身長(m)3)が、また学童児の肥満度の判定にはローレル指数(体重(kg)/身長(cm)3)×107)が、それぞれBMIの代わりに用いられます。
人間ドックでBMIの異常値が出たら
厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、日本人の成人男性の約3割、女性の約2割が肥満です。
肥満だけでは病気とはいえませんが、合併症を伴う肥満症になりやすく、BMIの上昇とともに死亡リスクが上昇するとされています。
BMIが高いだけが問題ではなく、低いBMIにも注意が必要です。特に食が細い高齢者の場合は、摂取エネルギーの不足から筋力が低下し、転倒や寝たきりの原因となる危険性があります。
BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています。25を超えると脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものとされています。
BMIの値が多少基準値を超えても、血圧や血液検査の脂質、尿酸などの値が基準値内であれば問題ありませんが、短期間にBMIが高くなり、腹囲が大きくなったら、内臓脂肪の増加が原因の可能性があります。メタボリックシンドロームに注意しましょう。
内臓脂肪の蓄積とBMIに相関があるとは限りません。
内臓脂肪が増えたからといって必ずしもBMIが上がるわけではなく、反対にBMIが上がったからといって必ずしも内臓脂肪が増えているわけではありません。
そのため、BMIはメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群:通称メタボ)の診断基準としては用いられていません。
ただし、肥満の人の中にメタボ予備軍が潜んでいる可能性を考慮して、特定健診・特定保健指導の対象者を選別する基準にはBMIが用いられています。
BMI 異常値で多い疾患
高血圧
高血圧は肥満とも密接な関わりがあります。 体脂肪量がふえると、全身に送りだす血液の量がふえ、心臓の負担が大きくなります。 また交感神経機能を高めて体液量が増えて血圧が上昇します。
糖尿病
糖尿病は、ブドウ糖を細胞内に取り込むインスリンの分泌が不十分だったり、 その働きが悪いために血液中の糖が増える病気です。
肥満になると糖分を代謝処理するホルモン「インスリン」の働きが悪くなり、糖尿病を併発しやすくなります。
高中性脂肪血症
体内の脂肪の中で最も多く、エネルギー源として糖質が変化したものです。
高中性脂肪血症は血液中の中性脂肪が多すぎる状態で、肝臓内 脂肪、皮下脂肪として蓄えられます。
過剰に肝臓に蓄積した場合、脂肪肝という病気になります。さらに、血管壁に蓄積して動脈硬化を引き起こします。
高尿酸血症
高尿酸血症は血液中の尿酸が増えすぎた状態ですが、肥満の合併症としても起こることが多い病気です。
尿酸が関節にたまると痛風の発作が起きるようになります。
BMIが高いとどのような健康リスクがあるのか?
BMI(Body Mass Index)が高いと、以下のような健康リスクが増加します。
生活習慣病
高いBMIは、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを増加させます。
心血管疾患
BMIが高いと、心臓病や脳血管疾患などの心血管疾患のリスクも増加します。
がん
BMIが高いと、いくつかの種類のがんのリスクも増加する可能性があります。
肥満症
BMIが25以上の場合、肥満症と診断され、さらに健康リスクが増加します。
死亡リスク
BMIが標準よりも高い場合、全体的な死亡リスクが上昇するとされています。
これらのリスクは、BMIが高いほど一般的に増加します。しかし、BMIは身長と体重から単純に計算された値であり、筋肉量や体脂肪率など、体の組成を反映していません。
したがって、BMIだけでなく、体脂肪率や他の健康指標も考慮に入れることが重要です 。
低いBMIにはどのような健康リスクがあるのか?
BMI(Body Mass Index)が低い、つまり痩せすぎの状態には、以下のような健康リスクが伴います:。
心血管疾患
低体重は急性の心血管疾患(CVD)で院内死リスクになるとされています。
筋肉量の減少
筋肉量が足りないことで、心臓に過剰な負荷がかかり、血液循環が悪くなる可能性があります。 また、高齢者では転倒のリスクが高くなります。
免疫力の低下
筋肉量が足りないと、免疫力が下がる可能性があります。
認知症のリスク
筋肉量が減ることで、認知症のリスクが上がるとも言われています。
これらのリスクは、BMIが低いほど一般的に増加します。しかし、BMIは身長と体重から単純に計算された値であり、筋肉量や体脂肪率など、体の組成を反映していません。
したがって、BMIだけでなく、体脂肪率や他の健康指標も考慮に入れることが重要です 。
BMIと体脂肪率の関係
BMI(Body Mass Index)と体脂肪率は、どちらも個人の体型や健康状態を評価するための指標ですが、それぞれ異なる側面を評価します。
BMIは、体重と身長の比率を示す指標で、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値を用います。
BMIは全体的な肥満度を評価しますが、体の組成(筋肉量や骨量など)を考慮していません。
一方、体脂肪率は、体重に占める体脂肪の割合を示します。体脂肪率は、体重のうちどれだけが脂肪であるかを示し、肥満や過体重の度合いをより具体的に示すことができます。
BMIと体脂肪率は相関関係がありますが、必ずしも一致するわけではありません。例えば、筋肉量が多い人はBMIが高くなりますが、体脂肪率は低い場合があります。
逆に、筋肉量が少なく脂肪量が多い人は、BMIは正常でも体脂肪率が高い場合があります。
したがって、健康管理やダイエットの目標設定には、BMIと体脂肪率の両方を考慮することが推奨されます。
具体的な数値や目標は個々の健康状態や体型によりますので、医療専門家のアドバイスを受けることが重要です。
BMI25以上の方の予防法
肥満症の主な原因は食べ過ぎ、食べ方、運動不足、遺伝にあるとされています。合併症がある場合は、かかりつけ医に十分相談の上、治療を進めてください。
肥満症にならないために、摂取カロリーと消費カロリーのバランスをとることが大切です。
下記の点に注意して生活習慣を改善してみましょう。
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