NT-proBNP
基準値
基準値 | 125pg/mL以下 |
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※日本心不全財団ホームページより引用
●55~125pg/mlの場合は、心不全の危険因子を有している症例でも、直ちに治療が必要となる心不全の可能性は低いと判断されます。
ただし、BNPだけでは心不全の程度を過小評価してしまう場合(収縮性心膜炎、僧帽弁狭窄症、発作的に生じる不整脈、一部の虚血性心疾患、高度肥満などを伴う心不全)もあるので、症状や症候があれば一度、循環器内科で相談してみましょう。
●125~400pg/mlの場合には、軽度の心不全の可能性があります。
危険要因が多い症例や心不全を発症する基礎疾患を持っている症例では、胸部X線、心電図、心エコー検査の実施をお勧めします。
ただ、この範囲では、重症心不全である可能性は低く、BNP上昇の原因がある程度特定できれば、そのまま経過観察することもありますので、循環器内科を受診し医師に相談しましょう。
●400~900pg/mlの場合は、治療対象となる心不全である可能性があります。
心エコー図検査を含む検査を早期に実施し、原因検索が必要です。
なるべく早急に循環器内科を受診しましょう。
●900pg/ml以上の場合は、治療対象となる心不全である可能性が高いと思われます。
原因検索に引き続き、症状を伴う場合は心不全治療を開始する必要があります。
なるべく早急に循環器内科を受診しましょう。
この検査で疑われる病気
- 心不全
- 慢性腎不全
- 本態性高血圧
- ネフローゼ症候群
- クッシング症候群
など
脱水症や利尿薬の影響で数値が高くなることがあります。
NT-proBNP検査(慢性心不全リスク検査)とは、心臓から分泌されるホルモンの一種である“NT-proBNP”の値を採血によって調べる検査です。
NT-proBNPは、心臓機能が低下して心臓の負担が大きくなるほど(その重症度に応じて)血液中に多く分泌され、数値が高くなります。そのため、NT-proBNP検査は心不全の早期発見に役立つと考えられています。
NT-proBNPはほとんどが腎臓からのろ過によって排泄されるため、腎機能が低下するとろ過がうまくできず、血中NT-proBNPの値が高くなります。
また、高齢者でも一般に両ペプチドとも血中濃度が上昇します。さらに、急性炎症でも高い値を示すことがあります。
なお、検査項目の1つに“BNP”という似たような項目がありますが、NT-proBNPのほうが採取した血液中での安定性が高いという特徴があります。そのため、NT-proBNP検査のほうがより検査結果の信頼性が高いといわれています。
NT-proBNPの正常値は、一般的には125 pg/mL以下とされています。この値の範囲であれば、心臓機能に大きな問題はないとされていますが、以下の生活習慣に気をつけることが重要です。
適切な食事
健康的な食事を心がけ、塩分の摂取量を制限することが重要です。高塩分の食品や加工食品を避け、野菜や果物、魚などの健康的な食品を積極的に摂るようにしましょう。
適度な運動
適度な運動を行うことで、心臓機能を改善し、心臓に負荷をかける要因を減らすことができます。適度な有酸素運動や筋力トレーニングを行い、健康的な体重を維持するようにしましょう。
禁煙
喫煙は、心臓に負荷をかける要因の一つであり、心臓疾患のリスクを高めることが知られています。禁煙することで、心臓の負荷を減らし、健康を守ることができます。
ストレスの軽減
ストレスは、心臓に負荷をかける要因の一つであり、心臓疾患のリスクを高めることが知られています。ストレスを軽減するために、適度な運動やリラックスする時間を持つようにしましょう。
定期的な健康診断
定期的な健康診断を受け、心臓の機能や状態を確認することが重要です。定期的な検査により、心臓疾患の早期発見や予防につながります。
以上のような生活習慣を心がけることで、心臓の負荷を減らし、健康を守ることができます。しかし、NT-proBNPの値が高くなった場合や、症状がある場合は専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
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