認知症ともの忘れの違い 健診会 東京メディカルクリニック

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認知症コラム Vol.1 認知症ともの忘れの違い

認知症について

認知症は脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に
支障がでてくる状態を指します。
認知症の中でもアルツハイマー型認知症が最も多く、アルツハイマー型認知症は、何らかの
原因で脳にアミロイドβという毒性のタンパク質がたまり、それが神経細胞を破壊して
脳が萎縮する過程で発症するといわれています。

TVや雑誌など様々なメディアで取り上げられる機会の多い「認知症」。

さて皆様はどんな時に「もしかして認知症かも?」と感じますか?
一番は「もの忘れが気になったとき」ではないでしょうか。
年齢を重ねれば重ねるほどどうしてももの忘れが多くなりますよね。

ただこの加齢による「もの忘れ」。実は認知症とは異なります。

認知症ともの忘れの違いについて

誰でも年齢を重ねるとともに、
「もの忘れがひどくなったり」「人の名前が思い出せなくなったり」します。
こうした加齢による「もの忘れ」は正常な老化によるものです。
しかし、認知症は「加齢によるもの忘れ」とは違います。

もの忘れと認知症

このように加齢によるもの忘れの可能性の場合は体験したことの一部を忘れる一方、体験したことをまるまる忘れると認知症の可能性が高いといわれています。
この他にも「加齢によるもの忘れ」と「認知症」の違いについては下記の判別がご参考になるかと思います。

加齢によるもの忘れ 認知症
もの忘れの範囲 体験したことの一部分を忘れる
(ヒントがあれば思い出す)
体験したことをまるごと忘れる
(ヒントがあっても思い出せない)
自覚 忘れっぽいことを自覚している 忘れたことの自覚がない
日常生活 支障はない 支障をきたす

認知症診療ガイドライン1)をもとにMCBI社が作成

例えば、
「昨日の夕飯を何食べたかは思い出せないけど、食べたことは覚えている」
「最近忘れっぽいなと感じている」
「もの忘れはあるけど普段の生活はいつも通り送れている」
このような方は認知症よりも加齢によるもの忘れである可能性が高いです。

「体験したことをまるごと忘れている」
「日常生活に支障もでている」
このような方は一度『もの忘れ外来』などを受診し、専門医に相談されることを
おすすめいたします。

「ただのもの忘れ」も増えたら危険

「ただのもの忘れ」ならなんの心配もないかというと、実はそうでもありません。
「ただのもの忘れ」であっても、同年代に比べてもの忘れが多ければ、もしかしたら認知症への道を歩みだしているかもしれません。認知症の前段階である「MCI(軽度認知障害)」の診断基準のひとつが「同世代の平均よりも、記憶力が低下している」ことです。MCIは日常生活に支障をきたすことはないので「認知症」と診断はされません。またMCIは認知症前段階といっても、健常に戻ることができるといわれています。
国立長寿医療研究センターの研究班が高齢者4153名を4年間追跡調査したところ、MCIの高齢者743名中46%が健常に戻り、30%がMCIのままとどまれたと報告しました2)。

一度発症してしまうとなかなか健常に戻すことが難しい認知症。
認知症前段階であるMCIで気づいていただくことが重要なポイントです。

当クリニックではMCIのリスクがわかる血液検査を実施しています。

「MCI」のリスクがわかる MCIスクリーニング検査プラスって?

一本の採血でMCIのリスクがわかる「MCIスクリーニング検査プラス」。
認知症の中でもっとも割合の多いアルツハイマー型認知症は「脳への老廃物(アミロイドβ)の蓄積」が原因と考えられています。
この老廃物は加齢が原因で溜まるものですが、実は中年期からの生活習慣も関係するといわれています。例えば、高血圧や糖尿病に近い方、脂質異常の方は脳への老廃物が溜まりやすい上に血管障害が起きやすく、故に認知症の発症リスクも高いといわれています。
当検査では脳からの老廃物のクリアランス機能を持ったたんぱく質や、蓄積要因の血管の老化に関与するたんぱく質を測定し、MCIのリスクを評価しています。

検査結果が良かった方は引き続きその生活習慣を続け、将来MCI・認知症にならないように、また検査結果が良くなかった方はご自身の生活習慣を改善することに役立てていただけます。

★MCIスクリーニング検査プラスについて気になる方、もっと詳細について知りたい方はこちら

1) 認知症診断ガイドライン2017, 一般社団法人日本神経学会
2) Shimada H. et al. Conversion and Reversion Rates in Japanese Older People With Mild Cognitive Impairment. J. Am. Med. Dir. Assoc.,2017; 18(9), 808 e1-808 e6

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