甲状腺の病気について 健診会 東京メディカルクリニック

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甲状腺の病気について

甲状腺の中でよく耳にする甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症について解説していきます。

甲状腺とは

全身の新陳代謝、身体の成長を促進するホルモン(甲状腺ホルモン)を産生・分泌しています。喉ぼとけの下にあり蝶々が羽を広げたような形をしており、食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを合成する働きをします。

ホルモンのバランス量は脳にある下垂体とういう臓器から出る甲状腺刺激ホルモン(TSH)で一定量に保つように調整されています。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症の原因

甲状腺機能亢進症とは甲状腺から血液中に甲状腺ホルモンが多量に分泌され全身の代謝が高まる病気です。

原因として、血液中にTSHレセプター抗体ができることがあげられます。この抗体は、甲状腺の機能を 調節している甲状腺刺激ホルモンが情報の受け手であるTSHレセプターを異物とみなして無制限に刺激し、甲状腺ホルモンが過剰につくられて機能亢進症が起こります。

なかでも、バセドウ病は自己の甲状腺に対する抗体(抗TSH抗体)が甲状腺を刺激するために甲状腺が腫大しホルモンの産生・分泌が亢進する疾患とされています。

原因は詳細にはわかっていませんが患者数は女性が男性の5倍くらい多く、甲状腺の病気は家族に同じ病気の人が多い事でもわかるように遺伝的素因が関係しています。

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺ホルモンが過剰になると全身の代謝が亢進するため以下のような症状がみられます。

  • 甲状腺が腫れる
  • 食欲が出るのに体重が減る
  • 脈が速くなる
  • 手の指が震える
  • イライラする
  • 疲れやすい
  • 時々、手足の力が入らなくなる
  • 汗をかきやすくなる
  • 月経不順、無月経、不妊

眼球突出は有名な症状ですが、実際には5人に1人くらいで若い人、喫煙している人には症状が出やすく、中年を過ぎると出にくくなります。

甲状腺機能亢進症の検査

基本的に、診察にて問診と血液検査にて診断を行います。

問診・血液検査…症状から甲状腺疾患を判別し血液検査では甲状腺で作られる甲状腺ホルモンの量、甲状腺に対する抗体量を調べます。

超音波検査…甲状腺の大きさ、腫瘍の存在を確認します。
→当院で、行うことのできる治療法です。

MRI検査…腫瘍の鑑別、転移の状態を調べます。

甲状腺機能亢進症の治療

治療としては、薬物療法・手術療法・放射性ヨード内服療法があります。

薬物療法当院で行える治療法です

抗甲状腺薬により甲状腺ホルモンの合成を抑えます。4週間くらいで甲状腺ホルモンが下がり始め、2ケ月もすると正常になって自覚症状はなくなり治ったようになります。
しかし、原因のTSHレセプター抗体が消えるのは早くても2~3年後なので、陽性の間は抗甲状腺薬を飲み続ける必要があります。

手術療法当院では行えない治療法です

TSHレセプターが陰性にならない時には甲状腺を一部残して切除する甲状腺亜全摘術があります。寛解率は40~60%くらいですが、術後甲状腺の機能が低下し薬の内服が必要な場合もあります。また、術後に甲状腺が元通りになる場合がありますので定期的に観察が必要です。

放射性ヨード内服療法当院では行えない治療法です

放射性ヨードをカプセルにいれて内服します。放射性ヨードは甲状腺に取り込まれ大きくなりすぎた甲状腺を放射線で焼いて機能を抑えます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症の原因

甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が不足し全身の新陳代謝が低下する病気です。圧倒的に女性に多く40歳以後の女性では軽症なものも含めると全体の5%にみられます。
何らかの原因により甲状腺自体が損なわれて起こる原発性機能低下症と甲状腺をコントロールしている甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下するために起こる続発性機能低下症、そして極めてまれな甲状腺ホルモン不能症に分かれます。
続発性機能低下症の原因として甲状腺の術後・アイソトープ治療後・甲状腺ホルモン合成障害などもありますが、圧倒的に多いのは橋本病です。
ただし、甲状腺は予備能力が非常に高い臓器で正常な細胞が10分の1残っていればホルモンの分泌は低下しないので橋本病でも多くの場合は甲状腺腫があるだけで甲状腺機能低下症の症状は出ません。またヨードが含まれる食べ物(昆布、ひじき、海苔など)は甲状腺ホルモンの原料になるため過剰に摂り過ぎるとホルモンが増え、体がバランスをとろうとし逆にホルモンの分泌を抑えてしまい悪化させる場合があります。

甲状腺機能低下症の症状

橋本病の症状は多種多様で、ほぼ全てに当てはまる人やあまり症状が出ない人など様々です。
主な症状は以下です。

  • むくみが出る
  • 貧血
  • 強い疲労感や眠気を感じる
  • 何もする気が起きない
  • 寒気
  • 髪が抜ける
  • 体重が増える
  • 以前のように運動できない
  • 皮膚がカサカサになる
  • 食欲がなくなる
  • 汗が出ない
  • 便秘になる
  • 階段を上がると息切れがする
  • 女性は生理の時の出血が不順になる

また、どれくらい辛いかは周りから見ていると分からないことも多いので、なかなか理解されずに苦しむ方もいます。

甲状腺機能低下症の検査

基本的に、診察にて問診と血液検査にて診断を行います。

問診・血液検査…症状から甲状腺疾患を判別し血液検査では甲状腺で作られる甲状腺ホルモンの量、甲状腺に対する抗体量を調べます。
またコレステロール値が高いと甲状腺疾患と関係している場合もあります。

超音波検査…甲状腺の大きさ、腫瘍の存在を確認します。

MRI検査…腫瘍の鑑別、転移の状態を調べます。

甲状腺機能低下症の治療

治療としては、薬物療法があります。
甲状腺機能低下症の治療は、どのような原因でも甲状腺ホルモンの投与を行います。
甲状腺ホルモンとして、サイロキシンの錠剤で甲状腺ホルモンの補充をし治療していくのが一般的です。
血液検査では甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンを測定して、正常域に入ればその量を長期に服用しホルモンのバランスを見ながら薬を調整していきます。

当院受診の流れ

当院では、内分泌代謝内科を受診して頂きます。
内科医より、症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。
症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行い、 その上で血液検査・MRI検査・甲状腺超音波検査などの精密検査を行っていきます。
検査結果に応じ、薬物療法により抗甲状腺薬の内服を行います。
また、数値が安定しない場合や専門医の診断が必要な場合、更なる治療が必要な場合は専門の医療機関に紹介させていただきます。

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